周りはうまくやっているのに、自分だけがしんどい気がする。
先に結論を書きます。教室という仕組みは、人間関係に向いていません。
毎日その中にいる教員として、仕組みの側から説明します。
※できることは 学校に行きたくないときの対処法 にまとめてあります。
教室がしんどい本当の理由
いきなり結論から書きます。教員としての実感です。
教室は、人間関係を育てる場所としてはまったく向いていないと思っています。
設計されたのは、人と仲良くなるためではありません。決まった内容を効率よく教えるためです。
人間関係は、その副産物として起きているだけです。
向いていない仕組みの中でうまくやれないことを、能力の問題にしないでください。
大人の職場に置き換えると
なぜしんどいのかを、大人の言葉に翻訳してみます。
1日6時間、同じ部屋に同じ人といる。これを職場に置き換えると、こうなります。
1日ずっと同じ人と、仕事もご飯も一緒にしないといけない。
席は決まっていて、動かせない。相手も選べない。それが毎日続く。
大人がこの条件で働いたら、多くの人が数か月で参ります。
中高生は、それを1年間やっています。
問題は人数ではない
「40人は多すぎる。20人ならいいのに」と言われます。
たしかに20人の方が、教員は一人ひとりを見られます。ただ、人間関係の話に限ると別です。
20人だと、かえって関係が固定されます。逃げ場が減るからです。
では何が問題なのか。答えはここです。
1年間、同じメンバーで過ごすこと。
だからカーストが生まれる
メンバーが固定されると、順位が決まります。決まった順位は、動かなくなります。
逆に、人が入れ替わる場所では、順位ができる前に関係が変わっていきます。
| 環境 | 人の流動性 | カーストの強さ |
|---|---|---|
| 中学・高校の教室 | 低い(1年固定) | 強い |
| 大学・職場 | 高い | 弱い |
| 通信制高校 | 高い | ほぼ発生しない |
大学でカーストの話をあまり聞かないのは、人が入れ替わるからです。人格が変わるわけではありません。
席が決まっていること自体がしんどい
席替えの記事を読む人が多いことからもわかりますが、席は本当に効きます。
決まった席に毎日座るということは、逃げ場のなさが物理的に固定されるということです。
隣が苦手な人だと、6時間その距離にいることになります。避けることができません。
これで消耗しない方が不思議です。
それでも生き生きする場面はある
同じ生徒でも、場所が変わると別人のようになることがあります。
部活、体育祭、家。教室では静かな子が、そこでは中心にいることもあります。
つまり、教室で見えているのは、その子の一部でしかありません。
教室での順位は、その部屋の中でだけ通用するものです。外に出れば、また別の順位があります。
学校を1つ変えられるなら
教員として、もし学校を1つだけ変えられるなら何を変えるか。
私が変えたいのはカリキュラムです。
全員が同じ内容を、同じ速さで学ぶ形をやめて、3つくらいのコースから選ばせたい。
そして「自分で選んだからこそ守ろうね」という形にしたいと思っています。
選んでいないものを守らされるから、しんどくなる。ここは大人の職場と同じです。
あなたが悪いわけではない。ただし
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
教室がしんどい子に、私はこう説明しています。
構造が悪いんです。あなたが悪いわけではありません。
同じような子を、これまで何人も見てきました。あなただけではありません。
ただし、そこで終わりにはしません。続けてこう言います。
構造が悪いからといって、この先の行動をどうするかは、あなた次第です。
責任と原因は違う
しんどくなった原因は、あなたにはありません。
でも、これからどうするかを決められるのは、あなただけです。
この2つは、まったく別の話です。
「自分のせいじゃない」で止まると、動けないまま時間が過ぎます。
「自分のせいじゃない。でも動くのは自分」まで来ると、次が見えてきます。
環境を選び直すという行動
では、具体的に何ができるのか。
順位の中で位置を上げようとするのは、いちばん効率が悪い方法です。
相手がいるので、自分では決められません。
一方、どの環境にいるかは、自分で決められる部分があります。
人が入れ替わる場所に移れば、順位はできる前に流れていきます。
通信制高校は、固定された教室を持たない仕組みです。生徒数日本一のN高等学校のような学校もあります。
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まとめ|構造の問題として見る
- 教室は人間関係に向いていない。効率よく教えるために作られた場所
- 大人に置き換えると、1日ずっと同じ人と仕事とご飯を共にする状態
- 問題は人数ではなく、1年間同じメンバーで過ごすこと
- カーストの強さは、人が入れ替わるかどうかで決まる
- 教室で見えているのは、その子の一部でしかない
- あなたが悪いわけではない。ただし、この先の行動はあなた次第
しんどさを自分の性格のせいにしていると、直しようがありません。
構造の問題として見ると、動かせる部分が見えてきます。
