「学校に行きたくない」と言われた親へ|現役教員が教えるNG対応と正解

「学校に行きたくない」と言われた親へ|現役教員が教えるNG対応と正解

お子さんから「学校に行きたくない」と言われた日は、頭が真っ白になったと思います。

現役教員として、まず一番お伝えしたいことから書きます。焦らなくて大丈夫です

ただし、家庭での対応の中には、よかれと思ってやっていても子どもを追い詰めてしまうものがあります。

この記事では、教員として見てきた「しんどくなる家庭」と「うまくいった家庭」の違いを、正直にお伝えします。

親がやってはいけない対応3つ

子どもが学校に行きたくないと言ったときの、親のNG対応とOK対応を対比した図。責める言葉ではなく受け止める言葉が有効であることを示している
同じ心配でも、届き方がまったく変わります

教員として見ていて一番しんどそうだと感じるのは、家庭で子どもが責められているケースです。

責めているつもりがなくても、子どもには「責められた」と届いてしまう言葉があります。

つい言ってしまう言葉子どもへの届き方言い換えるなら
「明日はどうするの?」(毎日)毎日ジャッジされていると感じる「今日はゆっくりしとき」
「勉強しなくて大丈夫なの?」休んでいる自分は悪だと感じる何も言わずに見守る
「みんな行ってるよ」自分だけ欠陥品だと感じる「そういう時期もあるよ」

①毎日「どうするの」と確認する

心配だから聞いてしまうのは当然です。ただ、毎朝聞かれる側は、毎朝答えを迫られています。

行けない日が続くほど、その質問は責めに変わっていきます。

②父と母で言うことが違う

母親は「行けるときに行けばいい」、父親は「勉強が遅れるぞ」。これが一番混乱します。

子どもは家の中でも安全な場所を失い、どちらにも本音を言えない状態になります。

③特別な子として扱ってしまう

腫れ物にさわるように接するのも、実は伝わります。

「自分は異常なんだ」と、子どもが自分にラベルを貼ってしまうきっかけになります。

高学歴の親ほど陥りやすい罠

これは書くか迷いましたが、現場の実感として正直にお伝えします。

追い詰める対応をしてしまうのは、学歴の高い保護者に多い傾向があります。

理由ははっきりしています。ご自身が学校でつまずかなかったからです。

比べる相手が自分の経験しかないので、「うちの子は普通じゃないのでは」と考えてしまいます。

そして、まるで障害があるかのように接してしまう。ここが分かれ道です。

教員は何百人と生徒を見ています。その中で言えば、まったく珍しい状態ではありません。普通です。

教員が見てきた「良かった親」

では、うまくいった家庭は何をしていたのか。ひとことで言えば受容です。

追い詰めるでもなく、焦るでもなく、どっしりと構えている。それだけです。

「いつでも私はあなたの親だからね」が伝わっていれば、子どもは崩れません。

言葉で伝えていなくても構いません。行動で示していれば十分に伝わります。

焦っている家庭どっしり構えた家庭
解決を急ぐ時間がかかる前提で待つ
原因を問い詰める話したくなるまで待つ
学校に戻すことがゴール本人が選ぶことがゴール
子どもが家でも気を張る子どもが家で息を抜ける

行きたくないと言われた親にできること

教員としての結論です。保護者にできること、そして私たち教員にできることは2つしかありません。

  • 選択肢を開くこと
  • 受け止めること

子ども本人をどうこうすることは、親にも教員にもできません。ここは割り切った方が楽になります。

進路を狭めているように見える選択でも、別の可能性を広げていることがあります。

学校にはどう相談すればいいか

「担任に言っても意味がない」と感じている方もいると思います。教員側の内情をお伝えします。

保護者からの相談は、基本的に学年(教員のチーム)に共有されます。担任ひとりが抱える話ではありません。

伝えるときは、家での様子を事実で伝えるのが一番役立ちます。

「朝は起きられるが、制服を着る段階で止まる」「日曜の夜だけ体調を崩す」といった具体が、学校側の判断材料になります。

相談内容がどこまで共有されるかは、先生に相談したら担任に伝わる?で詳しく書いています。

休ませたあと、どうなるのか

休ませたら戻れなくなるのでは、という不安が一番大きいと思います。

現場の実感では、別室登校を認めている学校ではかなり機能しています

「まずは別室から」というかたちで戻ってきた生徒は、珍しくありません。

戻るきっかけは、時間・成長・何かの拍子に自己肯定感が上がること、そして完璧主義でなくなることです。

スクールカーストで一度離れた子も、高2・高3と大人になって戻ってみたら、意外とみんな自分に興味がなかった、と言います。

ただし、無理に戻す必要はありません。本人が戻りたくないと言っている間は、無理してまで戻る場所ではありません。

環境を変える選択肢も持っておく

学校に戻ることだけがゴールではない、というのが教員としての本音です。

中学・高校という場所はかなり特殊です。固定された人間関係の中で、毎日同じメンバーと過ごし続けます。

社会に出れば、合わない職場は変えられます。学校だけが、逃げ道のない構造になっています。

だからこそ、人の入れ替わりがある環境に移るだけで、表情が戻る子がいます。

通信制のN高等学校のように、固定クラスがない学校もあります(仕組みの解説はこちら)。

資料を取り寄せるだけなら無料で、お子さんに見せる必要もありません。

親が選択肢を1つ持っておくだけで、家庭の空気は変わります。焦って決める必要はありません。

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まとめ|焦らなくていい

  • 子どもを責める言葉が、家庭で一番効いてしまう
  • 父と母で言うことを揃える
  • 「普通じゃないのでは」と思ったら、それは普通です
  • 親にできるのは、選択肢を開くことと受け止めることの2つ
  • 戻ることだけがゴールではない

お子さんが「行きたくない」と言えたということは、家が安全な場所である証拠です。そこはもう越えています。

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