通信制高校は環境として優れている|現役教員がすすめる4つの理由

通信制高校は環境として優れている|現役教員がすすめる4つの理由

通信制高校の記事は「人生終わり?」「やめとけ?」という不安の話ばかりです。

でも現役教員として、正面から言いたいことがあります。通信制高校は、環境として本当によくできています

この記事では、教員が通信制を強くすすめる理由を、教室の構造から解説します。

そもそも中学・高校の教室が特殊すぎる

流動性でスクールカーストの強さが変わることを示す図。小中高の教室は人が固定され流動性が低くカーストが強い一方、大学は関係を選びやすく流動性が高いためカーストが弱いことを示している
小中高は管理のために流動性を低くしています

通信制の良さを語る前に、前提をひっくり返させてください。

「毎日、同じメンバーと、同じ部屋で、何年も過ごす」——これは社会に出たらまず存在しない環境です

会社でも、どんなに長いプロジェクトでもせいぜい1年程度。何十年も同じメンバーで固定されることはありません。

そして何より、嫌なら転職すればいいだけの話です

つまり異常な環境は教室のほうなんです。それをわざわざ乗り越えなければいけない理由は、実はどこにもありません。

カーストの強さは「流動性」で決まる

教室でスクールカーストが生まれるのは、誰かが意地悪だからではありません。人間関係が動かないこと=流動性の低さが原因です。

環境流動性カーストの強さ
中学・高校の教室とても低い(1年間固定)強い
会社中くらい(異動・転職できる)弱い
大学高い(毎回メンバーが違う)ほぼ無い
通信制高校高い(固定クラスがない)ほぼ無い

大学にカーストがないのは、みんなが大人になったからではありません。固定された教室がなく、毎回同じ場所で授業を受けず、サークルも嫌なら辞められるからです。

小中高は、あえて流動性を下げている

では、なぜ小中高だけ流動性が低いのか。答えは身も蓋もありません。

先生が一元管理して、子どもを見やすくするためです。

つまり教室の窮屈さは、教育上の必要というより管理の都合から来ています。

通信制高校が優れている4つの理由

理由1:カーストが生まれる土壌がない

固定クラスがないので、序列が凝り固まる時間そのものが存在しません。カーストは時間をかけて固まるものなので、固まる前に関係が入れ替わる環境では発生しないのです。

理由2:人間関係を自分で選べる

ネット部活やスクーリングなど、つながる場を自分で選べます。「たまたま同じクラスになった人」ではなく「好きなことが同じ人」と出会える形です。

理由3:時間を自分の武器づくりに使える

教室で気を使うために消えていた時間が、まるごと自由になります。勉強、創作、資格、好きなことの追求に使えます。

教員として学生時代の自分に言いたいのは、まさにこれです。周りを気にせず自分の好きなことを突き詰めれば、それは専門性という資産になります。

理由4:大学というゴールにつながっている

通信制で自分のペースで学び、推薦入試なども視野に入れながら、カーストのない大学から新しい人間関係を始める

これは逃げではなく、戦略的なルート設計です。生徒数日本一のN高等学校のように、進学実績とブランドを持つ学校もあります。

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その前に、どんな学校なのかを知っておきたい人は N高等学校ってどんな学校? をどうぞ。

正直に言う|向いていない人もいる

全員におすすめするつもりはありません。次の場合は慎重に考えてください。

  • 自分でペースを作るのが極端に苦手な人:管理されないと動けない自覚があるなら、しんどくなる可能性があります
  • 大人数でわいわいやる時間を大事にしたい人:進学校の部活のような「オフラインで大人数」の機会は減ります
  • 思い立って数日で決めようとしている人:衝動の可能性があります(判断基準の記事

通信制に移った子は、なんと言っているか

教員として何人も見送ってきましたが、移った後に連絡をくれる子は、だいたい「移ってよかった」と言います

理由はシンプルで、「勉強に集中できるようになった」「手元のストレスから解放された」というものです。

もちろん全員を追跡できているわけではありませんし、合わなかった子もいます。それでも、「全日制に残った方がよかった」と言われたことは、私はまだありません

見送るときはいつも、その決断が良い方向に向かうよう祈っています。そして最後に必ず伝えるのは「選んだ道を、自分で正解にしてください」です。

通信制高校から大学へ進むルート図。今の教室がしんどい状態から、通信制で自分のペースで学び、推薦入試なども視野に入れ、流動性が高くカーストのない大学へ進む流れを示している
環境を変えることも、進学につながる選択肢です

まとめ|異常なのは教室のほう

  • 毎日同じメンバーで何年も過ごすのは、社会にはない特殊な環境
  • カーストの強さは流動性で決まる。通信制と大学は流動性が高い
  • 通信制の価値は「時間」と「人間関係を選べること」
  • 向き不向きはある。ただし「逃げ」ではなくルート設計

環境を変えることを考え始めた人は、カーストから抜け出す選択肢の記事もあわせてどうぞ。

学校の特殊な環境を、わざわざ乗り越えなきゃいけないことはありません。それだけは覚えておいてください。