「アメリカのスクールカーストは日本より厳しい」とよく言われますが、実際のところはどうなのか。
結論から言うと、アメリカのカーストは「公然のラベル」として存在します。
「見えない空気」である日本とは、そこが大きく違います。
この記事では、ジョックスやクイーンビーなどの階級用語を解説します。
歴史・現状・日本との違いまで、研究結果をもとに書きます。
日本とアメリカのスクールカーストの違いも解説していますので、ぜひご覧ください。
※スクールカーストのしんどさへの対処は、スクールカーストの解決策まとめ に1本でまとめてあります。
前提:日本のスクールカースト

スクールカーストとは、学校で見られる上下関係の階層(カースト)構造を示しています。
アメリカにも同じ構造がありますが、呼び方がまったく違います。
言葉の意味や仕組みは スクールカーストとは にまとめてあります。
アメリカのスクールカーストとは?
アメリカでは、「スクールカースト」と呼ばれるものはありません。
その代わり、「クリーク」と呼ばれるものが存在します。
何が違うの?
まずは、用語を解説します!
クラウド
生徒を分類する大きなカテゴリーを「クラウド」と言います。
1960年代から1970年代のあいだ。
ジョックスやナーズという言葉とイメージが定着していきます。
1980年代以降は、生徒が自分自身を分類するようになります。
同じカテゴリーの人と仲良くする習慣が流行しました。
ナーズなどのカテゴリーは日本で言えば、「オタク」などの概念に当たります。
クリーク
クラウドの中に作られる個々の仲間集団を「クリーク」と呼ばれます。
日本では、1軍・2軍など、カーストの階層は曖昧に表現されます。
アメリカのようにきちんとした名前がついた階層はありません。
その意味で、日本のスクールカーストはアメリカの「クラウド」や「クリーク」とは異なると言えます。
なんだか、ややこしいですね!
この記事では、クリークも「スクールカースト」と表現したまま解説するよ!
アメリカのスクールカーストの歴史
アメリカのスクールカーストの歴史を以下の2点に分類して解説します。
- 昔はスポーツが学業で全てが決まった
- 今はSNSでの活躍も注目される
スポーツや学業で決まる時代
1950年代から1960年代のベビーブーム時代のアメリカではスポーツ能力が重視されました。
学生間の交流とスポーツへの熱狂がスクールカースト形成の主な要素でした。
フットボールチームのキャプテンやチアリーダーなどがスクールカーストの上位に位置づけられていました。
ベビーブーム時代のスクールカーストは、社会性とスポーツ能力が重視される傾向にありました。
ちなみに、1950年代より以前は「人種や民族」でカーストが決まることもよくありました。
SNSなどの人気で決まる時代
1981年から1996年頃に生まれた、ミレニアル世代。
この世代以降はSNSの利用がスクールカーストに影響するようになりました。
テクノロジーの発展とともに、新たな要素が加わります。
SNSの利用や、オンラインでのやりとりです。
SNSのフォロワー数や、オンラインでの影響力。
それがスクールカーストの地位に影響するようになりました。
スポーツの影響も今も強いけどね!
アメリカのスクールカーストの現状
アメリカのスクールカーストの現状を以下の2点で解説します。
- フットボールとバスケットボールで決まる上位
- 学業ができても必ずしも上位ではない
フットボールとバスケットボールで決まる上位
アメリカのスクールカーストで高い地位を占めるのは、スポーツ選手です。
特にフットボール選手やバスケットボール選手です。
スポーツはアメリカの学校文化の、重要な一部です。
特にフットボールやバスケットボールは、非常に人気があります。
優れたパフォーマンスを発揮する選手は、多くの注目と賞賛を受けます。
そしてスクールカーストの上位に位置するのが一般的です。
フットボールのスターキャプテンは、カーストのトップに立ちます。
学校全体から広く認識され、尊敬されています。
アメリカのスクールカーストにおいて、スポーツ選手は非常に高い地位を占めます。
フットボール選手として高い地位を得ることを家族で応援するのも当たり前の光景だとか。
学業の優秀さとは一致しにくい
アメリカのスクールカーストでは、学業成績と人気は必ずしも一致しません。
一部の学生は学業の優秀さで評価を受けますが、それだけで高いスクールカーストの地位は得られません。
学業成績が優れている生徒が、中位や下位に位置することがあります。
一方で、スポーツ能力や社会性が高い生徒が高い地位を占める。
これはよくあることです。
学業が軽視されている様子は日本のスクールカーストと似ていると言えますね。
参考:スクールカーストと勉強や学歴との関係は?【あまり関係ない!】
アメリカのスクールカーストでは、学業成績と人気は必ずしも一致せず、他の要素も大いに関係しています。
アメリカのスクールカーストの基準
アメリカでのカーストの決まる基準を以下の3点で解説します。
- 人気のあるグループであるかどうか
- ファッションや外見を重視しているかどうか
- スポーツやクラブ活動に参加しているかどうか
1つずつ解説していきます。
人気のあるグループであるかどうか
スクールカーストにおいて、「人気のあるグループ」は上位のカーストを占める集団になりやすいです。
彼らは社交的で魅力的な特徴を持ち、多くの生徒から注目や支持を受けることがあります。
学校内での人気が高く、他の生徒からの憧れの的となることがあります。
人気のあるグループはスクールカースト内でも上位を占めることがほとんどです。
「人気」がスクールカーストに影響するのは日本と同じですね。
ファッションや外見を重視しているかどうか
アメリカのスクールカーストにおいて、ファッションや外見は一定の重要性を持ちます。
外見の整った服装や容姿を持つことは、他の生徒からの注目や認知を受ける可能性を高めることができます。
自己表現ができること、流行についていけること。
それが自信につながり、他の生徒と交流できるようになります。
見た目が重視されるのは日本のスクールカーストと似ていると言えるでしょう。
参考:スクールカーストにおいて「見た目」でどのくらい決まるのか?
ファッションや外見を重視することはアメリカのスクールカーストで上位を占める要因になります。
スポーツやクラブ活動へ参加しているかどうか
スポーツやクラブ活動への参加は、スクールカーストにおいて重要な要素となります。
クラブ活動に参加することで以下のスキルが身につきます。
- スキルの向上
- 自己成長の自信
- 人間関係に関するスキル
- リーダーシップや協力する精神
クラブ活動で培ったスキルが、人間関係や自信につながる可能性がありスクールカーストにもつながります。
アメリカでは、単純にスポーツが盛んです。
カーストを上げるには、クラブ活動が必須と言えるでしょう。
日本ではアメリカレベルとは言わないまでも、クラブ活動はカーストと関係しています。
アメリカのスクールカーストの地位
まず、代表的な階級用語を早見表にまとめました。詳しい解説は表の下に続きます。
| 用語 | 意味 | 日本でいうと |
| ジョックス | アメフト等の花形スポーツ選手 | 1軍男子の中心 |
| クイーンビー | 女子の頂点に立つ女王蜂 | 1軍女子のリーダー |
| サイドキックス | クイーンビーの側近 | 1.5軍(取り巻き) |
| ワナビー | 上位に憧れて真似をする層 | 2軍上位 |
| プレップス | 裕福で品行方正な優等生 | 2軍の優等生層 |
| ナーズ・ギークス | 勉強・特定分野に没頭する層 | 3軍・オタク枠 |
| ゴス | 独自の世界観を持つ層 | カースト外・不思議枠 |
| ターゲット | 攻撃対象にされやすい層 | 最下位・いじめ被害層 |
有名なアメリカのスクールカーストの名称と特徴を解説していきます。
ジョックス(Jocks)
ジョックスは体育会系のスクールカーストトップの生徒です。
アメリカンフットボールのキャプテンなどがなることが多いです。
アメリカでは高校のアメリカンフットボール部の試合を町中の人間が見にくるような地域が多く存在します。
ジョックスには、コミュニティに支持されているという意識があります。
そのため、他の生徒への嫌がらせが普通の光景になっています。
しかし、社会に出た時の未来は明るくないことが多いです。
参考:ジョック(Jock)とは?意味やクイーンビーとの違いを解説
クイーン・ビー(Queen Bee)
学内のスクールカーストのトップに君臨する女子をクイーンビーと言います。
日本ではスクールカースト1軍の女子に当たります。
参考:スクールカースト一軍の特徴は?その後の将来や一軍になる方法とは?
チアリーダーであることが多く、たまに演劇部の女王であることもあります。
勝ち組の男子の中から好きな子を彼氏に選ぶ権限を持っており、学校生活で困ることはほとんどありません。
サイドキックス(Sidekicks)
サイドキックスはクイーンビーなどの取り巻きである生徒の地位を指します。
クイーンビーの取り巻きは、かなりの人数がいます。
その中でも最高位の女子2人が、サイドキックスと呼ばれます。
よくアメリカの学園映画では、クイーンビーと3人で廊下を歩く姿が見られます。
日本で言うとスクールカースト1.5軍に当たる生徒といえるでしょうか。
参考:【1.5軍4軍5軍?】スクールカーストは何段階あるのか調べてみた
ワナビー・プリーザー・メッセンジャー
ワナビー、プリーザー、メッセンジャー。
サイドキックスになりたい取り巻きの女子たちを指します。
中でもお金持ちのクイーンビーにおねだりする生徒をプリーザーと言います。
パシリとしてこき使われる生徒をメッセンジャーと言います。
メッセンジャーは男子にも多いです。
よくアメリカの学園映画では、全身Gapで揃えられそうな服で出演していることが多いです。
スラッカー(Slacker)
スラッカーはテレビとロックを愛する生徒であることが多いです。
やる気があまりなく、勉強もスポーツもイマイチであることが多いです。
ジョックスとプレップスからバカにされることが多いです。
卒業後はバイト生活を送りながら高校時代の延長でまったりと過ごしている場合が多いです。
プレップス(Preps)
プレップスは文化系の勝ち組です。
猪突猛進で勉強し、他の文化系の生徒と違って愛校精神に溢れています。
落ちこぼれと一緒にされることが嫌いで、ゴスやギークを軽蔑していて口もきかないことが多いです。
カースト上位でも下位でもなく、カースト中位・2軍の生徒を指します。
ナーズ・ギーク・ブレイン
ナーズは自分の興味対象以外はかまわない、いわゆる「オタク」の生徒を指します。
ナードということも多いです。
文化系の負け組を表す言葉として、1980年代に流行しました。
ナーズであることを誇りに思う生徒もいます。
一方でジョックスは「気持ち悪い」という意味で「ナーズ」を使います。
ブレインはナーズの中でも特にガリ勉を指します。
成績が優秀なのはプレップスと同じですが、ギークとつるむところが違います。
ギークはさえない文化系の生徒の中でも特にコンピュータオタクを指す言葉です。
分野が分野なだけに社会では活躍することが多いです。
アメリカの学園映画では同窓会でリベンジするシーンがよく描かれます。
ターゲット・ルーザー
ターゲットはよくいじめられている生徒を指します。
アメリカの学園映画では、ターゲットがランチで座る席さえないシーンがよく描かれます。
誰もいない運動場の観覧席やトイレの中でお昼をとることもしばしばあります。
はぐれっ子(The Floater)
ジョックスやクイーンビーを中心としたスクールカーストには属さない文化系女子を指します。
独自の世界観を持っていることが多く、スクールカースト内の怒りを買い、ターゲットになることも多いです。
日本のカーストでは「不思議ちゃん」と呼ばれる生徒です。
参考:スクールカーストに属さない「不思議ちゃん」の特徴3選【気づかない!】
ゴス(Goth)
ゴスは目の周りを黒く縁取り、黒い服などの暗黒方面のカルチャーを好む傾向にあります。
日本のゴスロリとは少し異なり、「はぐれっ子」と校内の立場は同じです。
体育会系の価値観に馴染めず、宿敵と見ています。
夏でも長袖の黒い服を着ている場合が多いです。
不良(Bad Boy)
車とビールとタバコを愛する不良男子はアメリカのスクールカーストにもいます。
スクールカースト内の闘争には介入せず、不機嫌な表情でいつも登校します。
学園の外の世界をよく知っている。喧嘩がジョックスより強い。
そのため、クイーンビーのハートを射止めることもよくあります。
アメリカのスクールカーストの生徒への影響
アメリカのスクールカーストによる生徒への影響を以下の2点で解説します。
- 心理的影響
- 社会的影響
それぞれ解説します。
心理的影響
スクールカーストの位置は、生徒の心理的健康に大きな影響を及ぼします。
高い地位にいる生徒は自尊心が高く、反対に低い地位にいる生徒は自尊心が低い傾向があります。
カーストの低い地位にある生徒は、心理的な問題を抱えやすいです。
自尊心の低さ、孤独感、不安感などです。
その心理的な問題は、友人関係や学業成績にも影響します。
アメリカでは日本よりも深刻に捉える傾向があります。
参考:【何が問題点?】スクールカーストのメリット・デメリットを解説
社会地位への影響
スクールカーストは、学校を卒業した後の社会生活にも影響を及ぼす可能性があります。
スクールカーストが社会的スキルの発達や人間関係の形成、その後の進路選択などに影響を及ぼすからです。
カーストの上位に位置する生徒には、別の側面もあります。
リーダーシップやコミュニケーションを身につける機会が多いことです。
一方、スクールカーストの下位に位置する生徒は、社会的スキルなどを得る機会が少なくなる傾向にあります。
スクールカーストはその後の将来にも影響することを表しています。
日本よりもアメリカの方がスクールカーストのその後の影響は強いと感じているようです。
参考:スクールカーストは大人になったらどうなる?その後の人生や将来は?
いま現在の立ち位置がしんどい人は、スクールカーストの解決策まとめ を先にどうぞ。
アメリカのスクールカーストと海外比較
アメリカのスクールカーストを日本や他の国々と比較して解説します。
日本のスクールカーストとの共通点
日本とアメリカのスクールカーストは「人気で決まる」ことが共通点になります。
人気の高い生徒はカースト上位にいることが多く、一方、カースト下位の生徒は人気が低い傾向にあります。
実際に人気があるかどうかではありません。
「人気と思われている」かどうかが重要。ここも日本と共通です。
日本のスクールカーストとの違い
日本とアメリカのスクールカーストにおける違いは以下の点です。
- スポーツの重要性
- 個人か集団か
- 教室が固定かどうか
アメリカは日本より、運動を重視します。
また、個人での成果に注目するため、どのグループに属しているかを重視する日本とは少し異なります。
個人主義のアメリカと集団を尊重する日本との文化的な違いとも言えるでしょう。
そしてもう1つ。現役教員として大きいと感じる違いは、教室が固定かどうかです。
アメリカの高校は、授業ごとに生徒が教室を移動する方式が基本です。
日本のように、1年間同じメンバーで同じ教室に座り続ける「固定クラス」ではありません。
日本のカーストが「教室の空気」として濃くなる背景には、この閉じた構造があります。
席替えやクラス替えの直後に調子を崩す生徒は、しょっちゅういます。
そのたびに「閉じられた空間ってしんどいんだなぁ」と感じます。
他の国との比較
スクールカースト研究は、ほとんどアメリカで行われています。
その他にも、イギリス・カナダ・オーストラリア・シンガポール。
これらの国でも論文は出ますが、アメリカほどではありません。
他のアジアの国々では、家柄を重視するスクールカーストがあったり、と他の観点が出てきます。
北欧などヨーロッパでは、スクールカーストは日本やアメリカほど強くありません。
教員としての実感を言うと、これは国民性の問題ではありません。
「基本的にスクールカーストは、時間」なんです。
日本やアメリカは部活があるため、学校にいる時間が長いです。
同じメンバーで長く過ごすほど、カーストは強固になります。
ヨーロッパでカーストが弱いのは、学校にいる時間が短く、人間関係に流動性があるからです。
スクールカーストが有名なのは、やはり日本とアメリカだということですね!
日本とアメリカで、カーストが多くなる理由。
特有の文化である部活動が、閉鎖的な空間を生んでいると言われます。
アメリカを知ると、日本の教室の見え方も変わる
アメリカのカーストを知ると、見えてくることがあります。
カーストは「どの国でも、閉じた集団なら自然に生まれる構造」だということです。
つまり、あなたの教室の息苦しさは、あなたのせいでも日本特有の問題でもありません。構造の問題です。
そして、しんどさの原因が構造なら、構造の違う場所に移るという解決もあります。
実は、アメリカ型に近い「固定クラスのない学校」は日本にもあります。通信制のN高等学校です。
いま決める必要はありません。資料を取り寄せるだけなら無料で、入学の義務もありません。
まずは無料で資料請求
その前に、どんな学校なのかを知っておきたい方は N高等学校ってどんな学校? をどうぞ。
まとめ|アメリカのスクールカースト
まとめましょう。この記事では以下のことを解説しました。
- クリークとクラウドに分類がある
- 昔はフットボールと学業で、今はSNS
- アメリカのスクールカーストではフットボールなどの部活動が重視され、学業はそれほど重視されない
- アメリカのスクールカーストは、人気やファッション、運動部であるかどうかが基準となる
- アメリカのスクールカーストの名称はかなり多く存在する
- アメリカのスクールカーストは心理的影響や社会的影響がある
- 日本とアメリカとはスクールカーストが多く、海外ではあまり見られない
スクールカーストで悩んでいる人は、解決策をまとめたこちらの記事をどうぞ。


