転校生がなじめないのはなぜ?現役教員が明かす2か月の壁

転校生がなじめないのはなぜ?現役教員が明かす2か月の壁

転校して数週間。まだ、誰とも本当の意味では話せていない。

先に結論を書きます。

教員から見ていると、なじめるかどうかは だいたい2か月で見えてきます

そして分かれ目は、明るいかどうかという性格ではありません。リアクションの量 です。

ここは、あとから増やせます。

この記事では、教室を毎日見ている側から、なじめた子が何をしていたかをそのまま書きます。

※できることは 学校に行きたくないときの対処法 にまとめてあります。

なじめるかは2か月で見えてくる

転校生が来たとき、私たちがすることは意外と少ないです。

前で挨拶をしてもらう。だいたいそれで終わりです。

そのあと、こちらは黙って見ています。

そして経験上、2か月くらい でどちらに転ぶかが見えてきます。

これは冷たい話に聞こえるかもしれません。でも、逆の意味もあります。

最初の1週間で決まるわけではない、ということです。

転校初日にうまく話せなかったから終わり、ではありません。2か月あります。

最初の3日が静かだった子が、1か月後には普通に笑っている。よくあることです。

なぜ2か月なのか

教室のグループは、年度の最初にいったん固まります。

そこへ外から1人入るので、既存のグループが「この人は誰か」を確かめる時間が要ります。

その観察期間が、だいたいそのくらいだと思ってください。

転校生がなじむまでの2か月の流れを3段階で示した図。最初の1週間は静かなのが普通、1か月ごろは周りが確かめている観察の時期、2か月ごろにだいたい見えてくる、と並べている
最初の3日が静かでも、まだ間に合います

なじめた子に共通していること

なじめた転校生には、はっきりした共通点があります。

共通点実際に起きていること
明るい感情が外から見える
リアクションがいい話しかけた側が安心する
質問する会話が一往復で終わらない

ここで大事なのは、1行目をそのまま受け取らないことです。

もともと明るい性格でないと無理、という話ではありません。

周りが見ているのは、性格そのものではなく 反応が返ってくるかどうか だからです。

話しかけた側は、けっこう不安です。

反応が薄いと「嫌だったかな」と思って、次から話しかけません。その1回で線が引かれてしまいます。

無口な子でも、うなずきが大きい子はちゃんと輪に入ります。見られているのは言葉の量ではありません。

最初にやると損をすること

逆に、うまくいかない入り方もあります。

いちばん多いのがこれです。

転校生が最初に出すと損をすることと、最初にやると効くことを並べた図。前の学校の話や好きなものを長く語ることや自分のやり方に対し、授業で反応する、うなずきを大きくする、質問することを示している
同じ話でも、出す順番で受け取られ方が変わります

自分ワールドを、いきなり出す

前の学校の話を長くする。好きなものの話を一方的にする。自分のやり方を最初から通そうとする。

悪いことではありません。ただ、順番の問題です。

  • 前の学校では〜、を繰り返す → 比べられていると受け取られる
  • 好きなものを最初に長く語る → 相手はまだ返す言葉を持っていない
  • 最初から我を通す → 「合わせる気がない人」と見なされる

同じことを2か月後に話すと、たいてい「そうなんだ」と受け入れられます。

中身ではなく、出す順番 で損をしているだけです。

グループに入る現実的な方法

では、具体的に何をすればいいか。

現場で効いているのは、この2つです。

1. 授業やグループ活動で反応する

休み時間に話しかけに行く必要はありません。そこはハードルが高すぎます。

使うのは 授業のグループ活動 です。

あそこは、話す理由が最初から用意されています。自分から話題を作らなくていい場所です。

そこで、うなずく。反応する。それだけで十分です。

2. ちゃんと質問をする

もうひとつが質問です。

「これどうやるの」「ここ分かる?」で構いません。

質問には、相手を上に置く働きがあります。教える側になった人は、その相手を気にかけるようになります。

質問は、いちばん弱い立場から使える道具 です。

転校生とスクールカースト

転校生が入りにくいのは、あなたの問題ではありません。教室の構造の問題です。

スクールカーストは、メンバーが入れ替わらないほど強くなります

同じ顔ぶれで1年間過ごすから、順位が固定される。小学校から高校までが、その形になっています。

そこへ、外から人が入ってくる。

これは教室にとって、めったにない変化です。警戒もされますが、同時に注目もされます。

つまり転校生は、下から順位を上げていく立場ではありません。まだ、どこにも置かれていない立場です。

ここは正直に書きますが、それは有利にも不利にも転びます。

ただ、すでに下位に固定されている状態とは違う、ということです。

「失敗した」と思っている君へ

2か月たって、うまくいかなかった。そう感じている人もいると思います。

その気持ちに、こう返したいです。

それを「失敗」と結論づけるかどうかは、これから先の行動しだいです

今の教室でやり直すこともできます。部活や行事で、関係が動くこともあります。

それでも合わないなら、もう一度、環境そのものを選び直す方法もあります。

転校でうまくいかなかった人が、通信制高校に移ってから落ち着く例を、私は何度も見ています。

人間関係が固定された教室に毎日入るのとは、前提が違うからです。

まず資料を見て、そういう場所があると知っておくだけでも構いません。

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その前に、どんな学校なのかを知っておきたい人は N高等学校ってどんな学校? をどうぞ。

参考記事