不登校の勉強の遅れは追いつける?何から始めるかを現役教員が解説

不登校の勉強の遅れは追いつける?何から始めるかを現役教員が解説

「不登校の間に勉強が遅れて、もう追いつけないかもしれない」——本人も保護者の方も、いちばん不安になるのがここだと思います。

先に結論を言います。不登校の勉強の遅れは、正しい順番でやれば追いつけます。私は教員として、遅れを取り戻して復帰した生徒を何人も見てきました。

この記事では、遅れが「手遅れ」になりやすいNGパターンと、何から始めればいいかの手順を解説します。

学校の授業は実はかなりゆっくり進みます。1年の遅れでも、個別ペースなら数か月で追いつく生徒は珍しくありません!

不登校の勉強の遅れは追いつける?【結論:追いつけます】

理由はシンプルで、学校の授業は「30人一斉」に合わせた速度だからです。1人のペースでやり直す場合、同じ範囲を数分の1の時間で進められます

実際、教科書の内容は積み重ね式なので、つまずいた地点まで戻って埋め直せば、その先は一気に進みます。

「手遅れ」になりやすいNGパターン3つ

NG1:学年の今の範囲から始める

遅れを感じているのに現在進行中の単元から始めると、土台がないため理解できず、「やっぱり無理だ」と自信だけが削れていきます。つまずいた地点まで戻るのが最短ルートです。

NG2:いきなり長時間やろうとする

ブランクがある状態で1日5時間の計画を立てると、ほぼ確実に挫折します。最初は1日15分×毎日で十分です。

NG3:全教科を同時に取り戻そうとする

まずは英語と数学の2教科に絞ってください。この2つは積み重ね式で、後回しにするほど遅れが膨らむ教科だからです。

何から始める?追いつくための3ステップ

ステップやることポイント
1. 戻る地点を探す「わかる」と言える単元まで教科書をさかのぼる恥ずかしがらず小学校範囲まで戻ってOK
2. 毎日15分だけやる英語・数学のどちらか1教科から量より「毎日」の方が大事
3. ペースメーカーをつける進み方を一緒に決めてくれる人を確保1人で計画を守り続けるのは大人でも難しい

この順番なら、「勉強のやり方がわからない」状態からでも動き出せます。

勉強できない・やる気が出ないときは

不登校の間は、心のエネルギーが回復の途中です。「やらなきゃと思うのに体が動かない」のは自然なこと——これはサボりではなく、回復の順番の問題です。

その場合は、勉強より先に生活リズムと安心できる居場所づくりが先です。詳しくは「学校がしんどい」と感じたら読む記事もどうぞ。

ひとりで追いつくのが難しいときの選択肢

ステップ3の「ペースメーカー」は、家庭内だけで担うとお互いにしんどくなりがちです。不登校の学習支援を専門にしているサービスもあります。

伴走者は、家族でも、学校や保健室の先生でも、不登校対応に慣れた個別指導でも構いません。大事なのは「どこまで戻って、どう進むか」を一緒に決めてくれる大人がいることです。

「学校に追いつく」だけがゴールじゃない

ここまで「追いつく方法」を書いてきましたが、教員として、もうひとつ大事なことを伝えさせてください。

勉強に追いついても、教室に戻れるとは限りません。そしてそれは失敗ではありません。勉強の問題と、教室の問題は別だからです。

どうせ自分のペースで勉強を進めるなら、そのまま通信制高校で卒業まで行くという道もあります。通信制なら出席日数に関係なく、学び直し前提のカリキュラムで高卒資格まで進めます。

たとえば生徒数日本一のN高等学校は、ネットで自分のペースで学べて、進路決定率94.24%という実績があります(仕組みの解説はこちら)。

「復帰」と「転校」の両方の資料が手元にあると、どちらを選ぶにしても落ち着いて決められます。

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まとめ|遅れは「戻る勇気」で取り戻せる

  • 勉強の遅れは、つまずいた地点まで戻れば追いつける
  • NGは「今の範囲から」「長時間」「全教科同時」
  • 英数を1日15分から。ペースメーカーがいると続く
  • 心の回復が先の時期もある。焦らなくていい

「どこまで戻るか」を決めた瞬間に、遅れは「未知の恐怖」から「ただの距離」に変わります。距離なら詰められますよ!