子どものことより、自分の方が先に折れそうになっている。
先に結論を書きます。まず、親御さんが回復してください。順番はそちらが先です。
現役教員として保護者の方と話してきた中で、いちばん伝えたいことを書きます。
※できることは 学校に行きたくないときの対処法 にまとめてあります。
不登校は親の育て方のせいではない
「私の育て方が悪かったんでしょうか」
この質問を、何度も受けてきました。答えはいつも同じです。
悪くありません。そして、仮に何かあったとしても、もうどうしようもありません。
過去は動かせないので、これからのことを考える方に時間を使ってください。
自分を疑える人は、たいてい大丈夫
もう1つ、現場で感じていることを書きます。
自分の育て方を振り返れる人が、ひどい育て方をしていたことはありません。
問題が起きやすいのは、振り返ることをしない場合の方です。
この記事を読んでいる時点で、その心配は要らないと思います。
仕事は辞めなくていい
「そばにいてやるべきか」と迷って、仕事を辞めようとする方がいます。
私の意見は、辞めなくていい、です。
理由は、子ども側の受け取り方にあります。
親がそこまでした、という事実が、子どもの罪悪感を大きくします。
自分のせいで親の人生が変わった。そう感じると、動きにくくなります。
そばにいる時間より、家の空気が普通であることの方が効きます。
夫婦で意見が割れたとき
方針が合わない家庭は、めずらしくありません。むしろよくあります。
パターンもだいたい決まっています。
| よくある構図 | 起きること |
|---|---|
| 父親か母親のどちらかが「勉強させろ」「甘やかすな」と言う | 子どもは反発する |
| もう一方が板挟みになる | 悩むのはいつも、強く言っていない側の親 |
見ていて、いちばんつらそうなのはこの立場の方です。
夫婦で完全に一致させる必要はありません。ただ、
子どもの前で言い争わない。これだけ決めておくと、だいぶ違います。
祖父母には、勝てない
「甘やかすな」と言ってくる祖父母への対応も、よく相談されます。
正直に書きます。説得できることは、まずありません。
教員が出ていっても変わりません。私が生徒と話すときも、説得の方法ではなく、こちらを話します。
どうやって受け流すか。
わかってもらうことを目標にすると、消耗します。距離の取り方を決める方が現実的です。
親も、カウンセラーを使える
これはあまり知られていないので、はっきり書きます。
スクールカウンセラーは、保護者が相談してもいい相手です。
子どもが行かないから使えない、ということはありません。
親だけで面談を申し込めます。担任に「カウンセラーと話したい」と伝えれば、日程を調整してもらえます。
親が1人で抱えないこと。これが、いちばん大事です。
保護者同士のつながりも効く
同じ立場の人と話せる場があるなら、効果は大きいです。
ただし、条件があります。
形だけの集まりや、人数だけの場では、あまり意味がありません。
本音で話せる相手が1人いるかどうか。数ではありません。
学校と距離ができてもいい
しんどくなって、学校に足が向かなくなる保護者の方もいます。これも実際にあります。
そのとき学校がすることは、電話をかけることくらいです。それ以上のことはできません。
だから、こう考えてください。
連絡が取れる状態だけ、細く残しておけば十分です。
毎回、前向きな返事をする必要はありません。
「もう疲れた」と言っていい
保護者の方から「もう疲れました」と言われたとき、私が伝えるのは1つだけです。
一旦、休みましょう。
劇的に良くなる方法は、正直ありません。あると言う人がいたら、少し疑ってください。
だから、休んでいい時期があります。
子どもの状態は、明日どうにかなるものではありません。長く続けるために、先に親が休んでください。
そして、自分を責めないでください。
親御さんが子ども以上に苦しくなって、それが子どもに波及していく。
そういう場面を、何人も見てきました。
子どもの不登校は、すぐに治るわけではありません。
まず、親御さんが治りましょう。
私が「強い親だな」と思うのは、特別な人ではありません。
いろんなことが起きているのに「どうしようかな」と考えられる人です。
普通はパニックになって考えられなくなります。だから、考えられる状態に戻ること=休むことが先なのです。
親が倒れると、子どもに伝わる
これは何度も見てきたことです。
親が子ども以上に苦しくなって、それが子どもに返っていく。
子どもは、親がしんどそうにしていることに気づきます。そして、自分のせいだと考えます。
だから、親御さんが先に回復してください。順番は本当にそちらが先です。
選択肢を1つ持っておく
親のしんどさの多くは、出口が見えないことから来ています。
いまの学校に戻ることだけが解決だと思っていると、待つ時間がずっと苦しいままになります。
戻る場所は、元の教室でなくても構いません。
通信制高校のように、毎日教室に通わなくても高卒資格が取れる仕組みもあります。
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親が選択肢を1つ持っているだけで、待つ時間の質が変わります。
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その前に、どんな学校なのかを知っておきたい人は N高等学校ってどんな学校? をどうぞ。
まとめ|順番は、親が先
- 育て方のせいではない。振り返れる人が、ひどい育て方をしていたことはない
- 仕事は辞めなくていい。子どもの罪悪感が大きくなる
- 夫婦で一致しなくていい。子どもの前で言い争わないことだけ決める
- 祖父母は説得できない。受け流し方を決める方が現実的
- スクールカウンセラーは保護者も使える。1人で抱えない
- 疲れたら休んでいい。親が倒れると、それが子どもに返っていく
お子さんのことを考え続けてきた時間は、無駄になっていません。
ただ、その時間を続けるために、先にご自身を休ませてください。
最後に、5年後のために一番大事なことを。
親を辞めないこと。見放さないこと。
「ずっと見てるよ、ずっとあなたの親だよ」と伝えること。
ただし「これをしなさい」とは言わないこと。
