先生に相談したほうがいいのは分かっている。でも、どうしても言い出せない。
先に結論を書きます。相談できないのは、あなたが弱いからではありません。
相談を止めているのは、たいてい「相談したせいで起きること」への不安です。
この記事では、現役教員として、生徒が相談できない理由と、言い出しやすくなる方法を書きます。
※できることは 学校に行きたくないときの対処法 にまとめてあります。
先生に相談できない理由は3つ
教員として見ていると、相談してこない子には共通したパターンがあります。
| 止めているもの | 本音 | 実際は |
| 平穏を壊したくない | 大ごとになるのが怖い | 本人の希望なしに動くことは少ない |
| 迷惑をかけたくない | 先生も忙しそう | 知らないまま見ている方がつらい |
| どうせ変わらない | 言っても意味がない | 変わらないこともある。それでも記録は残る |
大事なのは、自分がどれで止まっているかを知ることです。
先生は「全員の味方」でしかない
ここは正直に書きます。「先生は結局こっちの味方じゃない」と感じている人がいると思います。
その通りです。教員は全員の味方であって、あなただけの味方ではありません。
クラスの全員に、切実な事情があります。あなたにもあります。
そのすべてに寄り添おうとはしますが、誰か一人の肩を完全に持つことはしません。
冷たく聞こえるかもしれません。でも、ここを期待して裏切られるより、先に知っておいたほうが楽です。
味方にはなれないけれど、選択肢を増やすことと、受け止めることはできます。そこは本気でやります。
相談すると何が起きるのか
一番の不安は、たぶんここだと思います。
相談内容は、基本的に学年の教員間で共有されます。担任ひとりが抱え込むことはありません。
ただし、「これは言わないでほしい」と伝えれば尊重されるのが普通です。
逆に、命や安全に関わる話は共有されます。ここは約束できません。
先生は情報を持っていても言わない
知っておくと安心できることを1つ。
教員は、いじめの情報をつかんでいても「いじめられてそうやけど大丈夫?」とは聞きません。
それを言うと「誰かが言ったんだ」という話になり、あなたの立場が悪くなるからです。
だから代わりに、「顔色悪いけど大丈夫?」という聞き方をします。
あれは何気ない世間話ではありません。声をかけられたら、扉は開いていると思ってください。
こちらから「いじめられてる?」とは聞けません。
だから遠回りに声をかけています。気づいたら、そこで話してくれて大丈夫です。
言い出しやすくなる3つの方法
①解決を求めなくていい
「聞いてほしいだけ」で構いません。むしろその方が話は進みます。
最初に「解決しなくていいので聞いてほしい」と言えば、先生も余計なことをしません。
②どこまで言うかを先に決める
「ここまでは話す、ここからは話さない」と決めてから行くと、話しやすくなります。
全部話す必要はありません。
③担任じゃなくていい
話しやすい先生に行ってください。担任である必要はまったくありません。
| 相談先 | 向いている話 |
| 話しやすい教科の先生 | とりあえず誰かに聞いてほしい |
| 養護教諭(保健室) | 体調に出ているとき・その場で休みたい |
| スクールカウンセラー | 気持ちを整理したい・担任に伝えたくない |
| スクールソーシャルワーカー | 家庭や生活の事情がからむとき |
カウンセラーが合うかどうかは人によります。
相談しても変わらないときは
正直に言うと、相談しても教室の空気そのものは変わらないことがあります。
教員が変えられるのは、席の配置や声のかけ方くらいです。人間関係そのものは動かせません。
それは、あなたの相談の仕方が下手だったからではありません。
教員は、その場を預かっている一人の職員でしかありません。
人生を預かっているわけではないので、責任も取れません。
だから自分で決めていい、と伝えています。
そういうときは、学校の中で耐える以外の選択肢も知っておいてください。
通信制のN高等学校のように、固定のクラスがない学校もあります。
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まとめ|扉は開いている
- 相談できないのは弱さではなく、守りたいものがあるから
- 先生は全員の味方。だからこそ期待値を調整しておく
- 「言わないでほしい」は伝えれば尊重される
- 担任じゃなくていい。話しやすい人でいい
- 解決してもらわなくていい。聞いてもらうだけでいい
「顔色悪いけど大丈夫?」と誰かに聞かれたら、それはこちらから開けた扉だと思ってください。
