ナード(Nerd)とは、アメリカのスクールカーストの地位を指す言葉として、認知されています。
この記事では、ナード(Nerd)について、詳しく解説するとともに他の地位との比較や固定観念についても解説しています。
スクールカーストとは?

スクールカーストとは、学校で見られる上下関係の階層(カースト)構造を示しています。
アメリカにはスクールカーストという言葉はありませんが、「クリーク」という言葉があり、日本のスクールカーストと同じ意味で使われることが多いです。
アメリカのスクールカーストの一つの地位を示す言葉がナードです。
ナード(Nerd)とは
まず、ナード(Nerd)という言葉を解説します。
ナード(Nerd)の意味や定義
ナードとは、科学や技術、文化などに深い知識を持った人を指す言葉です。
自分の専門分野に深い知識と情熱を持ち、常に没頭している人をアメリカでは、「ナード」と言ったりします。
また、それらの知識に没頭するあまり、人とのコミュニケーションが苦手であるという一面も同時に持っています。
「ナード」は、日本語では「オタク」のような意味があり、アメリカでは、長く人を侮辱するための言葉として使われることが多いです。
ナード(Nerd)の語源
「ナード」という言葉の語源は、はっきりしていません。
1つの可能性として、1950年に発売された絵本『If I Ran the Zoo』に登場するキャラクターである「ナード(nerd)」が語源であるという説があります。
この絵本では、少年が動物園を経営したら、というストーリーで動物を連れてくる描写が描かれています。
その時に主人公である少年が、呼んでくる動物の1つに「ナード(nerd)」があります。
この動物が「ナード」の語源である、という説が今のところ、濃厚です。
ナード(Nerd)の特徴
ナードの特徴は、専門分野への深い情熱を持っていることと、社交スキルがないことです。
例えば、コンピュータに深い知識を持っているナードがいたとします。
そういったナードは、常にコンピュータと向かい合うほど、没頭しています。
そのため、コンピュータについて、一般人よりも膨大なスキルが蓄積されることになります。
しかし、コンピュータ以外において、人とコミュニケーションをとる回数が減るために、空気を読んだり、常識的な会話ができないことがあります。
ナードとは、自分の専門分野に精通した人を指します。
ナード(nerd)の専門分野
ナードの専門分野は、さまざまです。
以下はナードが詳しい分野の一例です。
- 科学者
- 学問
- エンジニア
- プログラマー
- 映画や漫画
- ゲーム
ナードはこれらの分野に深く精通していることが多いです。
確かに、日本でもこれらの詳しい人は、学校で「オタク」と呼ばれることが多いですね!
ナード(Nerd)とスクールカースト
ナードとスクールカーストの関係について解説します。
参考:【日本と違う?】アメリカのスクールカーストを徹底解説!
ナード(Nerd)はカースト下位
ナードはスクールカーストでは、下位を指すことが多いです。
アメリカのスクールカーストで上位にくるのは、スポーツ万能であったり、容姿が綺麗であったり、社交的である人たちです。
スポーツ万能な生徒を示すジョックであったり、容姿端麗であるクイーンビーなどの地位の人は、スクールカーストで上位になりやすいです。
参考:ジョック(JocK)とは?意味やクイーンビーとの違いを解説
学校の性質上、パソコンをカタカタ動か続ける様子は、あまり子どもウケがよくありません。
そのため、精神年齢が低いときは、アメリカのスクールカーストでは、ナードは低い地位になります。
ナード(Nerd)の認識の変化
ナードのスクールカーストの地位は見直されつつあります。
昔のアメリカのスクールカーストでは、ナードの地位はあまり高くありませんでした。
しかし、テクノロジーが見直されるようになってきた結果、ナードへの評価も上昇してきています。
特にアメリカは、AppleやMicrosoft、Googleに代表されるように、IT産業が伸びているため、ITスキルに強いことは、アメリカ社会ではとても強みになります。
学校においても、ナードという地位は再評価されつつあります。
ナード(Nerd)と他の呼び名を比較
ギークには似たような言葉があります。
ここでは、「ギーク」と「オタク」との違いについて解説します。
ナード(Nerd)とギーク(Geek)
ナードとよく違いが評価される地位に「ギーク(Geek)」があります。
ナードとギークは、ほとんど意味が似ており、「専門分野に精通している」「社交的なスキルが少し欠けている」という共通の特徴を持ちます。
しかし、ナードとギークは少しだけ意味合いが違います。
以下は、ナードとギークの違いを表したものです。
ナード | ギーク |
学問的なスキル | コンピュータ的なスキル |
少し侮辱的な意味合いで使われる | ナードよりはポジティブな意味合いが強い |
ナードの方が、ギークよりも学問領域を専門分野に持っていることが多いです。
さらに、ナードの方がギークよりも、少しだけ侮辱的な意味合いが今でも残っています。
しかし、Microsoft創業者のビル・ゲイツをナードと呼ぶ人も多く、学問的な領域は、必ずナードというわけでもありません。
また、当然ビル・ゲイツがナードと呼ばれることもあるように、ナードの否定的な意味合いも昔ほどは強くなくなっています。
ナード(Nerd)とオタク
ナードとほぼ同じ言葉として「オタク」という言葉が存在しています。
オタクもある分野に特化している人を指します。
ナードとオタクの最も大きな違いは、使われる地域の違いです。
ナードは英語圏で使われることが多く、オタクは日本語圏で使われます。
他の違いは、ナードは興味関心の分野が学問系であるのに対し、オタクはアニメや漫画などに興味が集中します。
近年、肯定的な意味で捉えられるようになってきたという意味では、ナードもオタクも共通しています。
ナード(Nerd)の社会的影響と課題
ナードが社会に与える影響や課題について解説していきます。
ナード(Nerd)文化と社会への影響
ナードとが社会に与える影響は年々増大しています。
もはや、現代のテクノロジーの影響を受けていない人はいません。
この記事を読んでいる時も書いている私もどこかのナードが作った技術を使っていることになります。
世界の企業を見渡してみても、
- Microsoft
- Apple
など、IT業界の盛り上がりは凄まじいです。
もはやこれらの企業のサービスを使っていない人を見つける方が難しいでしょう。
テクノロジーの進化とともに、ナードの評価も上がっていきます。
学校でナードの地位が、ジョックを超える日もそう遠くないのかもしれません。
ナード(Nerd)の課題
ナードにはさまざまな課題も残されています。
ナードの課題は、やはり社交的スキルです。
一般的なコミュニケーションスキルがないと周りに誤解を与えかねません。
社交的スキルや一般的なコミュニケーションスキルを身につけるまでは、アメリカのスクールカーストにおいて、ナードがトップに立つ日は来ないでしょう。
スクールカーストにおいて、コミュニケーション能力が重要なのは、日本に似ているのかもしれません。
参考:スクールカーストはコミュニケーション能力で決まるのか?
まとめ
まとめましょう。この記事では以下のことを解説しました。
- ナードは専門的スキルをもった地位
- ナードはスクールカーストでは下位
- しかし、年々評価されてきている
- ナードの評価が上昇しているのは、テクノロジーが発達してきたから
日本では、スクールカースト下位は分野に分かれておらず、「3軍」「底辺」と分けられることが多いです。
参考:スクールカーストで最下位・最底辺とされている人の特徴は?
分野に分かれているナードというのはアメリカならではなのかもしれません。
参考:【日本と違う?】アメリカのスクールカーストを徹底解説!